ホタル舞い飛ぶ里を目指して!

2011年3月19日、八代町稲山にある四ツ沢川で『笛吹市ホタルの里 ホタル幼虫放流会』が行われました。

放流会を主催したのは笛吹市と『稲山ほたる銀河の会』です。八代町の住民有志で作るこの会は、昔はホタルが自然に飛び交っていたという四ツ沢川に、ホタルを取り戻そうという目的で5年前に設立されました。会では蛍の幼虫を飼育する他、四ツ沢川の葦を刈って清掃したり、東京から蛍飼育の専門家を招いて勉強会をしたり、四ツ沢川沿いの遊歩道を照らす葦ランプを作るなどの活動を行ってきました。

四ツ沢公園の足元を照らす葦ランプを作りました
(2010年5月)

会員総出で葦を刈って四ツ沢川をきれいにしました
(2009年11月)

東京から蛍飼育の専門家を招いて、勉強会が行われました(2009年10月)

板橋区ホタル飼育施設の阿部宣男先生の講義
(2009年10月)

この度、農林水産省の『農村事業活性プロジェクト』の支援を受けて、3年に渡る工事の末、全長約1キロメートルのホタル水路が完成しました。りっぱな水路は出来たものの、周辺の自然環境は、まだ蛍が繁殖するような状態には戻っていません。これから市民が力を合わせて環境づくりを行っていく必要があります。

全長1キロメートルのホタル水路

『稲山ほたる銀河の会』の河西会長は、放流会式典の挨拶で「素晴らしい公園を作っていただいて、ここからが仕事始めのような気がする。これからは会として、いかにたくさんホタルを飛ばすかが使命となってくる。我々は決して自己満足でやっているわけではない。この地域を笛吹市の癒しの場にしたい。ホタルを見に大勢の観光客が来て、笛吹市の経済が活性化されることを目指して、今後も活動していきたい」と述べました。

稲山ほたる銀河の会の河西会長の挨拶

荻野正直市長の挨拶

放流会式典に出席した荻野正直市長は「蛍が飛んでいた昔の状態に戻すためには5年、10年の月日がかかるかもしれない。そのために、今年は養殖場の補助金を用意した。一日も早く、ここで自然に蛍が飛ぶようになってほしい。笛吹市としては、将来『蛍が飛ぶような素晴らしい自然環境で、桃と葡萄ができました』と、全国に向けて発信していきたいと思っている。大きな夢を皆さんと共に持ちながら、この事業を進めていきたい」と挨拶しました。

シンボルマーク審査の様子

審査会には旬感ネットのスタッフも参加しました

今回決定されたシンボルマーク

これからホタルを増やす活動を行っていくにあたり、稲山ホタル銀河の会では、昨年7月より、地元浅川中学校、八代小学校、ほたる銀河の会員に、会のシンボルマークの原案を募集しました。その結果、300点近い応募作品が集まりました。2010年10月に審査会が行われ、優秀な作品がシンボルマークに採用されました。

放流会の式典の中で、優秀作品3点の表彰も行われました。河西会長は受賞した子供たちに「3人とも素晴らしい絵をありがとう。素晴らしい発想をありがとう」とお礼を言いました。受賞者3名に、作品に込めた思いを伺いました。

河西会長より3名に賞品が授与されました

放流するホタルの幼虫を準備中

ホタルの幼虫について説明する会員の中村さん

式典の後、ホタル水路でホタルの幼虫の放流会が行われました。放流するのは、会長、市長、来賓とシンボルマークの受賞者の計8名です。放流の前に、会員の中村さんからホタルの幼虫についての説明がありました。「ホタルの一生は1年で、今日放流するのは最終段階の幼虫です。今放流したら、4月の終わりか5月に、土の上に上ってきて、6月には飛ぶと思われます。光ながら飛んで、交尾をして、コケのある所に卵を産みます。孵った幼虫は、小さい餌でないと食べられないけれど、自然は良くできていて、その頃ホタルの餌であるカワニナが子供を生むので小さい餌がいっぱいになり、ホタルの幼虫が成長していけるのです」

大勢の人が幼虫放流を見守ります

水路の上流からホタルの幼虫を放流しました

餌となるカワニナとホタルの幼虫

笛吹市役所八代支所でもホタルを飼育しているそうです。まだ気温が低い為、この日は50匹程度の幼虫を放しただけでしたが、今後2000匹ぐらいは放流できるだろうとのことでした。一度壊れてしまった自然を元に戻すのは、簡単な事ではないでしょう。でも、一歩一歩進んで行けば、必ず辿り着けると信じています。ホタルの舞い飛ぶ里を目指して、これから市民による本格的な活動が始まります。(取材:さっさ)

ホタルよ、元気に育ってね

 

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