ワインツーリズムやまなしに笛吹エリアが初登場!

2008年から毎年開催されているワインツーリズムやまなし2011。開催日中、エリア内に臨時のバス停が設置され、そこを専用の路線バスが巡回し、参加者はそのバスを上手く利用して目的のワイナリーを各々自由に訪ね歩き、周辺の散策を楽しむこのイベント。そんな、回を重ねるごとに毎年多くのワイン好きが参加するワインツーリズムに、今年から笛吹市エリアが加わることになりました。ということで、2日間にわたって開催されたイベントから笛吹市エリアをレポートしたいと思います。

1日目のスタート地点にした勝沼会場

早速、バスに乗り込みます

釈迦堂東口から勝沼ブドウ郷を一望

2011年11月5(土)、1日目はあいにくの曇り空。この日のコースは、甲州市エリアの勝沼ルートと塩山ルート、笛吹市エリアの一宮ルート。一宮ルートへ参加するため、まずは勝沼会場へ。こちらの場所は、毎月第1日曜日にかつぬま朝市が開催されている場所なのでご存知の方も多いはず。この日もイベントに合わせてマルシェが開かれており、早くも多くの人たちで賑わっていました。屋台の料理も気になったのですが、一宮ルートへの乗り換えバス停となる釈迦堂東口南行きのバスの時間が迫っていたので、受け付けを済ませ、早速、バスに乗り込みます。バスの中は勝沼・塩山ルートへ向かう人たちと、一宮ルートの乗り換えへ向かう人たちで思っていた以上に混雑。バス停手前の急坂では、乗客の多さにバスが坂を登るのも一苦労で、運転手さんの「バスの故障じゃありませんからね」というアナウンスに車内が和みます。乗り換えポイントの釈迦堂東口南バス停のあるフジッコワイナリーさんから一宮ルートのバスに…と思ったのですが、次のバスが到着するまで1時間待ち。フジッコワイナリーさんで試飲、見学をしつつ、次の狐新居バス停まで歩いて移動してみようかと無茶なプランを考えていると、スタッフの方から「だったら、勝沼ルートのバスで祝1区北バス停まで戻って一宮まで移動してみてはどうですか?」とアドバイスをいただいたので、本日最初の目的地をルミエールさんに決め、先ずは祝1区北バス停まで移動し、そこから歩くことに。乗り換え待ちで一緒になった日帰り参加の女性お二人に話しを聞いてみると、昨年も参加しているので、今年はやはり一宮ルートを回りたかったかったのだが、帰りの時間のことを考えると、あきらめて勝沼~塩山ルートに移動するとのこと。

歩く前からひと休み

ブドウ畑も紅く色づいています

祝1区北バス停を降りると、目の前のグレープかねきさんでお茶やブドウ、ジャムなどを振る舞ってくれていたので、歩く前からひと休みし、疲れる前から疲れを癒していただきました。かねきさんにお礼をし、のんびりとルミエールさんを目指します。途中、裏道を抜けてみよう…と路地に入ったのですが、だいぶ歩いた先が畑で行き止まりになっており、そこからまた来た道を戻るなどしつつ、20分ほど歩いてルミエールさんに到着。ワインショップの店内はすでに多くの参加者の方々で盛り上がっていました。

本日最初の目的地、ルミエールさんに到着

参加者の皆さんでとても賑わっていました

歩いていると季節をすぐそばで感じます

KIVISさん自慢のラッキョウはぜひおすすめ

ルミエールさんからは裏路地を抜けて、相興バス亭を目指します。相興バス停周辺には、矢作洋酒さんとスズラン酒造工業さんの2つのワイナリーがあるのですが、ノープランでスタートしたため時間はもうランチタイム。だったらということで、バス停近くにあるカフェ、KIVISさんで昼食をとることに。豚ひき肉とナスのカレーをいただきつつ、午後の予定を考えたのですが、考えれば考えるほど、バスの運行ルートにしたがって移動するのが正解だったと実感しました…。KIVISさんでのちょっとだけ長めのランチタイムを終え、先ずは矢作酒造さんへ。建物に昔ながらの面影が今も残る矢作酒造さんは、まるで日本酒の蔵元さんのような雰囲気。作務衣姿で現れた社長の向山さんと、この日の前々日に行われたヌーボーイベント(11/2の夜から11/3の深夜にかけて石和温泉足湯広場にて行われたヌーボー de 乾杯!)のお話をしつつ、新酒などを試飲させていただきました。

矢作洋酒さんにて

スズラン酒造工業さんにて

矢作洋酒さんからスズラン酒造工業さんへは、さほど距離はないのですが、路地に入らなければならないので、少し迷ってからたどり着いたという参加者の方も少なくなかったようです。スズラン酒造工業さんでは神奈川からお越しのご兄弟と出会い、試飲に真剣な弟さんを待っている間、お兄さんとお話しをしたのですが、弟さんがかなりのワイン好きで、今日、明日ともに行く所を決めて回っているとのことでした。「僕が予定外の所を提案しても却下されちゃうんですよ…」と苦笑いをするお兄さん。スズラン酒造工業さんからは青楓美術館周辺を巡りながら南野呂バス停へ。

空き地で見つけた生糸工場の名残

参加者にお茶を振る舞ってくれるお宅も

こちらのお宅では立派な庭木も拝見しました

下岩崎会場で行われていたオープンカフェ

さて、ここから狐新居バス停まで移動したいのですが、逆ルートになってしまうので、先ずは勝沼会場に戻らなければなりません。でも、ここでもタイミングが合わず1時間待ち。ここは開き直って勝沼会場まで歩いて移動することに。勝沼町内に入ると通り沿いの何軒かのお家の庭先でお茶を振る舞っており、参加者に「休んでいきませんか?」と声をかけてくれていました。また、途中の下岩崎会場ではオープンカフェが開かれており、なかなかいい雰囲気。勝沼会場に着くと、ちょうど釈迦堂東口南バス停行きのバスが出るところだったので急いで飛び乗ります。再びフジッコワイナリーさんで眺望を楽しみつつ休憩をさせていただき、今度こそ一宮ルートのバスで狐新居へ移動。アルプスワインさん、新巻葡萄酒さん、北野呂醸造さんを目指します。アルプスワインさんは絵本に出てくるような可愛らしいが外観のワイナリー。店内には雑貨も多く取り揃えているので、またの機会にゆっくり見せてもらうことにして、次の新巻葡萄酒さん、北野呂醸造さんへと向かいます。こちらの2軒は小さなワイナリーで家庭的な雰囲気。普段、覗かせていただく機会もあまりないので貴重な時間でした。

かわいらしい外観のアルプスワインさん

ショップでは雑貨も多く取り揃えています

新巻葡萄酒さんにて

北野呂醸造にて

次のバスが最終便になってしまうので、狐新居バス停から、日川中央葡萄酒さんのある市之蔵バス停までは歩いて移動します。もう少し長居したかったのですが、そのことを伝えると北野呂醸造さんのご主人が、間に合わないかもしれないから車で送ってくれると言ってくれたので、北野呂醸造さんで一緒になった都内からお越しのご夫婦とお言葉に甘えさせていただくことに。少し時間に余裕ができたおかげで、日川中央葡萄酒さんのご主人から色々とワイン造りに関するレクチャーを受けることができました。ここで、先ほどのご夫婦の奥さんが「ワインとラーメンは自分の好みを信じることにしてるんですよ」とおっしゃっていました…名言です。こちらで一緒になった女性二人組も加わりワインについてのあれこれを話し込んでいると、あっという間にバスの時間。コース終盤は、皆さん適度にほろ酔い(中にはかなり出来上がっている人も)で、初対面でも打ち解けるのが早い。結局、時間ギリギリでバス停へと移動し、すっかり日も落ちたなか勝沼駅行きのバスに乗り込みこの日は終了。

日川中央葡萄酒さんにて

バスの時間ぎりぎりまで話しが盛り上がります

2011年11月6日(日)、2日目は前日の夜からの雨模様が続いていました。この日のコースは、甲府ルートと石和御坂八代ルート。石和温泉駅からお昼頃のバスを使って御坂へ移動すると決めていたので、先ずは駅周辺を散策しつつ、モンデ酒造さんへ。日曜日ということもあり、一般の観光客の方たちも重なって工場見学には列ができていました。モンデ酒造さんで試飲をさせていただいた後は、以前から気になっていた手造りの辛味噌とラー油で知られる笛吹の庄さんにおじゃましてみました。店内にはラー油の刺激的な香りが漂っており、思わずお腹が鳴りそうになってしまいます。ここから石和温泉足湯広場をまわって、本坊酒造山梨マルスワイナリーさんへ。地下の試飲スペースは他にはない落ち着いた雰囲気で、腰を下ろしてゆっくりワインを味わっている方も多く見受けられました。

2日目は石和温泉駅周辺の散策からスタート

駅前通りから川沿いを歩いてみることに

モンデ酒造さんにて

新鮮野菜の販売も行われていました

手造りの辛味噌とラー油のお店、笛吹の庄さん

試食もさせていただき、ねぎみそ南蛮を購入

本坊酒造山梨マルスワイナリーさんにて

落ち着いた雰囲気の試飲ルーム

バスの時間が近くなったので駅に戻り、御坂行きのバスに。バスは甲府ルートからの乗り換えで石和御坂八代ルートへ向かう方々ですでに混雑しており、10分ほど後に急遽追加のバスが到着するとアナウンスされていました。また、御坂バス停に着くと、バス停となっている東邦観光園さんにはバス待ちの長い列ができており驚かされました。参加者の方にお話しを伺うと、やはり本日も皆さん、初登場のこちらのルートに興味があるようです。

バスを降りた参加者の皆さんが笛吹ワインさんに向かい混み合っているようだったので、先にニュー山梨ワイン醸造さんへ向かうことに。途中、美和神社の長い参道を通って雨宿りしつつ、ニュー山梨ワイン醸造さんへ到着。まだ他の参加者の方が誰もいなかったので、ゆっくり試飲を楽しませていただきました。

当初は笛吹ワインさんからニュー山梨ワイン醸造さん、そこから徒歩で八代醸造さんへ向かうつもりでいたのですが、笛吹ワインさんへ立ち寄り、御坂で昼食をとることに。本日のランチは、和食処石(せき)さん。今の季節は鍋料理でも知られるこちらで、看板メニューのひとつでもあるハンバーグ定食を注文。石さんへは初めて来たのですが、一切手を抜いていないことがわかる手造り味で、まさに絶品です。

美和神社の長い参道

ニュー山梨ワイン醸造さんにて

笛吹ワインさんにて

石(せき)さんのハンバーグ定食

御坂から熊野神社前を通り八代へ

脇道へ入ると卵の直売所を発見

八代醸造さんへは路地を進んでいきます

手描きの案内に心も和みます

石さんで腹ごしらえした後は、早速、八代へ向かうことに。多少距離はありそうでしたが、普段通り慣れた道なので、御坂図書館や熊野神社の前を通って歩いて移動します。途中、都内からお越しの女性二人組の方が、やはり同じルートで移動してきたらしいのですが道がわからず困っていたので、一緒に八代醸造さんへ。確かに、今回の笛吹市エリアのワイナリーさんの中でも八代醸造さんが一番わかりずらい場所にあるのかもしれません。八代醸造さんへと向かう道の要所要所に、八代醸造さんが急遽用意したであろう手描きの案内が貼ってあったのですが、なぜか皆の笑いのツボに入り、見つけるたびに写真を撮っていました。

八代醸造さんに着くと、残りのバスも後2便ということもあり、多くの皆さんが特設のテーブルを囲み話に花を咲かせていました。僕は最終便のバスで石和温泉駅へ戻るつもりだったので、ワインを味わいつつ、社長の小林さんからワインに関する様々なお話や、ワイン造りの苦労を聞くことができました。そんな会話の中でも「いいワインを造るということは、いいブドウを作るということなんです」という言葉が印象に残りましたが、それはワインの味にもしっかりとあらわれていたと思います。

最後の目的地、八代醸造さんに到着

特設のテーブルを囲み話しが尽きません

小林社長からワイン造り関するお話しをうがいました

楽しかった2日間もこれにて終了

今回、このワインツーリズムに初めて登場した笛吹市エリアに参加して、色々な方とお会いしたのですが、あいにくの天候ながら皆さん一様に笑顔でイベントへ参加していました。お話しをしてみると、バスの本数に関してはもう少し多いほうがまわりやすいという意見が必ず聞かれました。でも、その時間の制限も含めて「目標のワイナリーを目指してゲームをしているみたいで、これはこれで面白い」という声も多く、僕自身も最初はどう参加していいのか戸惑っていた部分もあったのですが、コースをまわり始めてすぐにゲーム感覚で楽しんでいました。また、北杜市からお越しの方から「初めて県内からの参加者の方に会いました」と言われたのですが、確かに僕も県内からの参加者に会ったのは、2日間でその方だけでした。県内で暮らしていれば、どのワイナリーさんもいつでも立ち寄れる場所かもしれません。でも、そうした普段とはまた違った出会いも多くあるし、この拙いレポートでも書いたようにワインツーリズムならではの楽しみ方も多くあると感じました。僕は今回初めて参加させていただいたわけですが、また来年も参加したいと強く思ったし、次は他のエリアにもぜひ足を伸ばしてみようとも考えています…もちろん、次からはちゃんと事前にプランを立てて。(取材:エイチ)

 

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