青楓美術館にふれて

津田青楓は明治から昭和50年代まで活躍した洋画・日本画家で、二科会の創立委員も努めました。夏目漱石との親交も深く、絵の手ほどきをしたり、作品の装丁を手がけたりしていました。画業のほか趣味も広く人間的魅力に溢れるお人柄がうかがえる作品が多く展示されています。

一宮町北野呂地区の桃と葡萄畑の中に、南アルプスと向き合うようにチヨットお洒落な洋館が建っています。画家・津田青楓と親交のあった歴史家、故小池唯則氏が私財を投じ昭和49年に開館されました。昭和59年に小池氏の遺族から寄贈され、今では公営の美術館として公開されています。

元々、個人が所有していた小さな美術館。お花に囲まれた入り口は、お友達の家に来たかのように、優しく暖かく迎え入れてくれる。入館時にはスリッパに履き替えるところがアットホームな雰囲気を盛り上げ、青楓先生がひょっこりお顔を出してくれそうな…。

小さな美術館だからこそ、階段の壁も有効に利用され一点でも多く皆さんに観て頂きたいという関係者の方々のお気持ちが伝わってくるようでした。右上写真はフランス刺繍の作品ですが、前妻との協同作品で、私の一番のお気に入り。年間を通して展示されているので是非、ご覧になってみて下さい。

二科会創立に尽くした青楓先生の自由な南画風の作品や思うがままの筆致の書、洋画、 デッサン、 ポスターなど約70点が展示、約500点が収蔵されています。 年に2回、 約30点単位で入れ替えが行われます。

代表作である「疾風怒濤」 は、その題名のとおり、コワイほど激しいチカラを感じさせられ、穏やかな青楓先生の違った一面を拝見させて頂いたような気持ちになりました。「疾風怒濤」 は、年間を通じて展示されているそうです。

絵ごころなどまったくないド素人の私でも目にとまり、ココロを惹かれたりする作品が多数展示され、地元の皆さんに愛され、大切にされている理由を感じとれました。かしこまった美術館とは違い青楓先生のご自宅に訪問させて頂いたような気分でした。(取材:papico)

今回は青楓美術館のご協力のもと、許可を得て撮影させて頂きました。一般の方の撮影は禁止されていますのでご了承下さい。

利用データ

◆住所:山梨県笛吹市一宮町北野呂3-1

◆電話:0553-47-2122

◆開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)

◆休館日:月曜日・年末年始・国民の祝日の翌日

◆入館料:一般300円(200円) 大学・高校生200円(150円) 小中学生100円(80円)
(カッコ内は団体料金) ※65歳以上は無料。ただし証明書が必要です。

 

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