しんたまおすすめ!秋色の石和北山筋コース
甲府盆地の北辺には、湯村山や愛宕山、八人山など、「北山筋」と呼ばれる豊かな自然を残した山々がズラリと並びます。今回、ハイキングの場所に選んだ大蔵経寺山はその山並に連なり、古くから歴史の息づいた地域でもあり、数々の名所旧跡にも出会うことができるコースです。ハイキングの起点となる大蔵経寺までの交通アクセスも良く、麓の石和・春日居エリアには疲れを癒してくれる温泉もいっぱいあるので、下山後の休憩ポイントもしっかりチェックしてコースプランに加えれば、充実したハイキングが楽しめると思いますヨ。
山道は傾斜がキツイ場所と比較的なだらかな場所があります。それを予め知っていると体力の配分ができるのですが、やみくもに登ると厳しい坂道がいつまで続くか分からず、精神的に疲れ、結果的に体力の消耗にも影響します。これは私がかつて高原マラソンを走った経験から感じたことですが、山歩きも同様に事前の情報や予備知識があればペース配分もしやすいと思います。そこで、コースのマップにキツイ急坂と比較的歩きやすいなだらかな箇所を表示し、行程表には各区間のおおよその所要時間をのせました。あくまでも40代男性のデータですが、目安としてお役立てください。
コース概要
甲府方面から国道140号線を東に向かって進み、石和温泉駅方面の信号の先にあるGS(JOMO)とパチンコ店(ABC)の間を入るように左折。正面に墓地が見えますが、向かって右側に進むと大蔵経寺があります。車はお寺の方に駐車させてもらう旨を一言伝えてから駐車場の端の方へ止めるのがよいでしょう。
見どころ
●大蔵経寺
本堂は大蔵経寺山を背にして建ち、夏の深緑や秋の紅葉の季節は見事な景観です。寺宝として室町時代に描かれた「絹本著色涅槃図」があり、国の重要文化財になっています。
●山神宮参道
山神宮は俗称「天狗神社」と呼ばれ、急峻な山道、途中の赤い鳥居、本殿までの長い石段が、いかにも天狗が現れそうな雰囲気を醸しだしています。ちなみに神紋は「羽団扇(はねうちわ)」、天狗の持ち物です。
●おまけの寄り道ポイント
大蔵経寺山ハイキングのいいところは、下山後にすぐに温泉でリフレッシュできることです。山からいちばん近いところでは「旅館 日の出温泉」があります。場所は大蔵経寺山の南側を流れる平等川に沿って東へ10分程行ったところです。入浴だけでもOKですが、土日は宿泊客以外は入れない場合があるのでご注意を。
また、JR石和温泉駅前には足湯があり、さらに温泉街まで足をのばせば旅館・ホテルがたくさんあります。石和温泉旅館組合のホームページで「日帰り入浴のできる宿」が紹介されているからチェックしてみては。
感想(2009.10.18登山)
大蔵経寺山は標高715.6mと比較的低い山であることから登山初心者の私にとって年齢的にも、体力的にも無理がないだろうという読みで、今回、山歩きの場所として選びました。しかし、実際に登ってみると、道を塞ぐように生い茂る草や木の枝をかき分け、倒木を踏み越えながら険しい坂道も登っていかなければならず、気ままに山歩きを楽しむというよりは汗をいっぱいかきながらの登山となったのですが、それゆえに大きな充実感と清々しさを味わうことができたと思います。
昨年春に大きな山火事に見舞われたこともあり、山に足を踏み入れる人が減っているのでしょうか。行楽日和の日曜日というのに山で出会ったのはたったの2人だけで、静かな山歩きが楽しめたのはいいのですが、それよりも防災啓発の看板やのぼり旗が目障りなくらいアチコチ目に付いて気になりました。実際に火災現場となった頂上から中腹付近には、まっ黒に焼け焦げた木が今も生々しく残っています。看板やのぼり旗にしても、炭にしても、景観として美しいものではありません。そして山の消火活動はたいへんです。出火原因はハッキリと分かっていませんが、いずれにしても登山者は火の始末をきちんとしてほしいと、大蔵経寺山に登って強くそれを実感しました。そしてまた登山者で賑わうハイキングコースに戻ってほしいと思いました。