デュオ・プリマ インタビュー
神谷未穂さん（左)、礒絵里子さん（右）
コンサート前日、デュオ・プリマのお二人にお話を伺いました。（2012年1月27日）
………笛吹市の印象はいかがですか？
神谷さん：着いたとたんに、あまりにも空気がきれいで驚きました。山の景色も堪能できて。
礒さん：全部山に囲まれてるっていうのは、なかなか他では見られないですね。
………昨日、今日と行われた小学校でのワークショップはいかがでしたか？
神谷さん：今回アウトリーチは3校行ったんですが、どこも5～6年生の生徒さんだったんですけど、高学年ならではの大人っぽい雰囲気で、集中してちゃんと音楽を聴こうという姿勢で一生懸命聴いてくれました。でもその一方で、子供らしい感想も聞かせてくれて。どこの学校もすごくよかったです。
………お二人がヴァイオリンを始めたきっかけなどをおしえていただけますか？5歳の時と、6歳の時と伺いましたが。
礒さん：私は覚えていないんですけど、自分でやりたいと言い出したみたいなんです。（神谷さんの）９歳上の姉がヴァイオリンをやっていたので、間近で見たり聞いたりする機会があったので、たぶんそれで面白そうだからやってみたいなと思ったんだと思います。
神谷さん：私の場合は、私の姉と絵里の方が、先にヴァイオリンを引き始めて、それに憧れて始めました。
………ご両親が音楽家というわけではないんですね？
神谷さん：そうではないですね。クラッシックに限らず音楽は好きだったみたいですけど。何かやらせたいなとは思っていたようですが、始めさせた当初は、将来プロになるとは思っていなかったと思います。
………ピアノの石岡久乃さんとのご関係はどんなかんじなのですか？
神谷さん：大学の先輩で、私たちがすごく憧れて、是非共演していただきたいということでお願いしています。初めてデュオ・プリマという名前でデビューした時のCDにも共演していただきました。
………デュオ・プリマを結成されて何年ぐらいですか？
礒さん：ちょうど去年１０周年で記念のリサイタルとかをしました。
………結成のきっかけをお伺いできますか？
神谷さん：私たちは本当に幼稚園から大学まで一緒で、習っていた先生も一緒だったんですけど、留学して初めて離れることになりました。礒のほうがベルギーに行って、私はドイツに行ったんですが、お正月に久しぶりに集まって演奏をする機会をいただけたんです。その時に、それぞれが他の留学の場所で吸収したものを演奏して、「あ、こういう風に成長したんだ」みたいな…、そういうのがすごく刺激的でした。二人で音楽を作ることが楽しいし、すごく面白いし、これは是非続けて行きたいなと思いました。それで始めたのが１０年前です。
………ヴァイオリンの魅力と、ヴァイオリンデュオの魅力を教えていただけますか？
神谷さん：ヴァイオリンはやっぱり、人間の声と似たような音が出ることが、すごく魅力的だと思うんです。歌というのはいろんな楽器の基本だと思うんですけども、ヴァイオリンは歌手とはまた違って、歌詞が無いのがいいのかなと思いました。というのも、このあいだの地震の後の復興活動で避難所とかを回って思ったんですが、海の歌とか、「あの人はもういない」とかいう歌詞がついた歌とかがけっこうあるんですね。そういうメロディーを歌詞を載せて届けると、もしかして傷ついてしまう人がいるかもしれないけれど、ヴァイオリンというのは歌詞がない分、音だけでそういった思いを伝えるので、人を傷つけることが無い音楽なのかなと思いました。それがすごくヴァイオリンのいいところかなと思います。
礒さん：アンサンブルの魅力は…1台でももちろん色々なことができるんですけれども、2台だとそれが「×2」ではなく、もっと無限大に広がるような気が二人ともしていて、それでデュオをつきつめていこうという方向で一致してるんです。あと、他のアンサンブルもそうなんですけど、お互いを聴きあうというのが、ものすごく大事で、他の音楽に対してもすごく大事なことで、それを従妹同士でできるというのが、すごく恵まれた環境だなぁというふうに思います。
………デュオ・プリマのコンサートには、いつもピアノも一緒なのですか？ピアノとヴァイオリンはやっぱり相性がいいんでしょうか？
礒さん：私はピアノは楽器の王様で、どちらかと言うとヴァイオリンが女王様みたいな感じだと思っているんです。ピアノはソロもできるし、伴奏もできて本当にオールマイティーですね。ヴァイオリンだけ、特にヴァイオリン１本だけだと、どうしてもオリジナルの曲が、まじめなバッハだったり、むずかしい曲だったりになりがちなんですけど、ピアノが支えてくれることによって、その上で軽やかに歌うことができる感じですね。ヴァイオリンデュオの時でも、ピアノがいてくれたほうが、ありがたいですね。
………笛吹市民、明日公演を見に来る人などにメッセージなどあればお願いします。
神谷さん：今回初めて笛吹で演奏させていただいたんですけど、すごく環境が気に入ったので、この自然に恵まれた場所に、また是非来たいなと思っています。明日のコンサートに向けては、私たちの笛吹でのデビューなので、いい音楽を届けたいなと思います。
………楽しいお話、どうもありがとうございました。
