第4回笛吹音楽祭

2011年10月8日から10日の3日間、笛吹市スコレーセンターで、第4回笛吹音楽祭が開催されました。今年で4回目となるこの音楽祭は「音楽にプロとアマチュアの違いはない」「演奏の参加資格は一切問わない」の基本姿勢のもとに、演奏する人と聴く人が純粋に音楽を楽しむことを目的に開催されました。10月8日から10日までの3日間、全国からプロ・アマの音楽家が笛吹の地に集い、様々な形式で演奏が披露されました。

音楽祭は10月8日のアンサンブルコンサートで幕を開けました。最初の演奏は邦楽のアンサンブルです。この音楽祭の運営委員長でもある窪田礼子さんが演奏者としても参加します。窪田さんは地元笛吹市在住で会社役員をされる傍ら邦楽のお教室なども開かれています。窪田さんの他に、白木啓之さん、奥田伊予子さん、岩間恒さんが舞台に上がりました。曲毎に楽器や構成が変わり、美しい日本の調べを奏でてくれました。その後は甲府市在住のソプラノ歌手川口聖加さんのアリアが、奥山初枝さんのピアノ伴奏で披露されました。生の歌声は会場の空気を震わせ、観客はその振動を直接肌で感じることができました。アンサンブルコンサートの最後はピアノ四重奏です。ピアノの奥山さんに加え、ヴァイオリンの蜷川いづみさん、チェロの谷口節夫さん、そして音楽祭の音楽監督を務める藤原義章さんがヴィオラを演奏しました。集会室に差し込む午後の日差しの中で、楽器の奏でる生音のハーモニーを堪能しました。

邦楽アンサンブル

コンサートアリア

ピアノ四重奏

アンサンブルコンサート終了後に、オーケストラの練習が始まりました。この音楽祭では、練習風景も見学自由となっています。音楽祭初日のこの日は、参加者の自己紹介がありました。関東、中部、九州など全国各地から参加者が集まっていることに驚きました。もちろん、地元笛吹市や甲府市の方も多数参加されていました。音楽祭の実行委員の方たちの紹介もされ、多くの裏方さんに支えられて音楽祭が作り上げられていくのがわかりました。

集会室に集まった参加者たち

運営スタッフの紹介

参加者の自己紹介

夕方はロビーコンサートが行われました。このロビーコンサートは参加者の自由な発表の場となっています。ロビーには音楽祭期間中、笛吹市文化協会絵画部の作品が展示してあります。絵画をバックに参加者たちが思い思いにユニットを組んで演奏を披露します。ライブ感のあるセッションは、演奏者自身が楽しんでいるのが聴く者にも伝わってきて、温かい雰囲気でした。

音楽祭2日目の10月9日は、正午頃ロビーコンサートが行われ、その後はオーケストラの練習になりました。回を重ねるごとに、メンバーに一体感が生まれハーモニーがまとまっているのがわかります。音楽を通して、全体が一つになろうとしているのを感じます。

ロビーコンサート

オーケストラの練習風景

全国から集まった参加者

合唱隊の練習

3日目の10月10日、正午からはエントランス前の広場にて笛吹市太鼓連合による和太鼓演奏が行われました。迫力のある粋なリズムが秋晴れの空に響きました。また、音楽祭最終日でもあるこの日はオーケストラコンサートが開催されました。3日間練習してきた成果を披露する瞬間です。3日前に集まったばかりとは思えないほど素晴らしい演奏でした。合唱のパートも、アマチュアとは思えない本格的な発声で素晴らしかったです。アンコールのハレルヤは、オーケストラも合唱も力強く、胸に迫るものがありました。

和太鼓演奏

演出もダイナミック

荻野正直市長の挨拶

観客も今日の演奏を楽しみにしていました

演奏が始まりました

合唱隊にはアマチュアの参加も多数

地元の方も参加されています

とても力強い合唱です

コンサートは佳境へ

迫力のある演奏です

音楽祭終了後の懇親会で、参加者、関係者の皆さんにお話を伺いました。
合唱の参加者は地元の方が多いようでした。今回が初参加の人も、もう2回目、3回目という方もいらっしゃいました。6月から10回ぐらいの練習を行ったそうです。川口先生の指導がとても素晴らしかったとおっしゃっていました。

東京から参加された演奏者の方に笛吹市やこの音楽祭についての印象をお尋ねしました。普段は東京でフリーの演奏家として活躍されています。「笛吹市の印象は『ぶどう』のイメージ。道には柿が生ってたりしていい空気で、食べ物もおいしかったです。笛吹き音楽祭は和楽器や和太鼓もあって盛りだくさんで、聴いてる人はおもしろかったのではないかと思います」と答えてくださいました。

音楽監督の藤原義章先生に、今後笛吹音楽祭がどのようになっていくことを望まれるか伺いました。「私は規模的には今のままでよいのではないかと思っています。一つ希望を述べるならば、もっと地元の方にも興味を持ってほしいということでしょうか。日本全国から人が集まって演奏する。その音楽を聴いてもらう対象は地元の方です。これは地元の方のための音楽祭なのですから」とのお話でした。

終了後の懇親会

音楽監督の藤原義章さん

素晴らしい演奏をありがとうございました

実行委員の方のお話では、この音楽祭の準備には約1年半の月日がかかったそうです。それでも足りなかったくらいだとおっしゃいます。昨年は予算の都合で開催できなかったのですが、この素敵なイベントを無くしたくないという気持ちで協賛企業探しなどに奔走されました。運営に携わった方たちはアンコールのハレルヤの合唱の時に涙が出てきてしまったそうです。全国から集まった人たちが、心を合わせて一つのものを作り上げていく。それが達成された時、自然に涙があふれたのかも知れないですね。笛吹音楽祭はきっとこれからも続いていきます。誰もが参加できる開かれた音楽祭です。そこには温かい感動があります。音楽を愛する人々が笛吹に集い交流するこの音楽祭に、是非あなたも参加してみてください。(取材:さっさ)

 

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