バラ香る駅『JR石和温泉駅』
笛吹市のバラの名所と言えば、この場所を忘れるわけにはいきません。そう、笛吹市の玄関口、JR石和温泉駅です。
駅前のロータリーが見えてくると、そよ風にのって爽やかなバラの香りが漂ってきます。取材に訪れたこの日は抜けるような青空。ロータリーに植えられた色とりどりのバラたちが、日の光に輝いて鮮やかに咲き誇っていました。
レトロな雰囲気の「石和温泉駅」の駅舎。少し懐かしいような気持ちになります。改札を通って左手、下りのプラットホームへ出ると、素敵な光景が待っていました。プラットホームに沿って長く続くフェンスには、豪華な蔓バラが生垣のように仕立てられています。青々と茂る葉の上に、大きく形の良いバラの花が、ホームの端まで続いています。その長さ、約100メートル。一瞬、駅構内であることを忘れてしまいそうなぐらい華やかで壮観です。日本中探しても、こんな素敵な駅は他に無いのではないでしょうか。ちょうどこの時、到着した電車から降りてきた女性が、そのままバラに駆け寄って、香りを楽しんでいました。東京都杉並区からいらっしゃったこちらの女性、「あんまり素敵な香りがするから…。素晴らしいですね。」と笑顔。地元の方のみならず、全国から訪れる乗客の皆さんにも大変評判が良く、中にはバラの咲く時期に合わせて、石和温泉に旅行される方もいらっしゃるとのこと。確かに、こんなに素敵な花を見られるならば、是非とも電車で出かけたくなりますよね。毎年、ゴールデンウィーク後半ぐらいから見頃になるそうですが、今年は天候不順のため、2週間ほど遅れているとのことです。電車内からご覧になりたい方は、8号車より甲府寄りの車両がベストポジションです。この時期、中央線をご利用になる方は是非、車窓からの景色もご堪能下さい。
このバラの手入れをされているのは、「笛吹ローズクラブ」のボランティアの皆さん。笛吹市を中心にバラの大好きな方たちが集まって活動されています。きれいなバラを咲かせて、景観を美化し、市民や観光客の方に喜んでもらい、自分達も癒されよう…そんな目的で活動されている素敵な団体です。手間のかかるバラを、こんなにもみごとに咲かせられるなんて素晴らしいですし、ボランティアでされていることを尊敬してしまいます。
「笛吹ローズクラブ」では石和温泉駅のバラを手入れして咲かせるだけでなく、秋にはその花びらをポプリにして、駅を訪れた方たちにプレゼントしています。今年は10月30日を予定されているそうです。とっても楽しみですね。市民や笛吹市を訪れてくださった方への心のこもったおもてなし、本当にありがとうございます。石和温泉駅は笛吹市自慢の駅ですね。(取材:さっさ)