「甲斐いちのみや大文字焼き」舞台裏レポート

炎、燃え尽きるまで…
感動“大”のアツい舞台裏(その2)

■準備2日目

【8月8日(土) 曇りのち晴れ】

午前8時30分。昨夕の激しい雨でぬかるんだ道を何とか登り切ると、すでに山の斜面のあちこちで作業が始まっていた。昨日の草刈りとはうって変わってミョーに現場は静かだ。眼下を横切る中央道の車の走行音もよく聞こえる。準備2日目の今日は、約2mごとに設置されている鉄製の火床86ヶ所に、約90cmの高さに薪を井桁に組み上げていく作業が行われている。一見、“積み木”をしてるようにも見えるが、それぞれに太さや形の違う薪をシッカリ固定させながら積み重ねていくのは、そうカンタンではないようだ。薪を上手に組み合わせ、置き方も工夫しなければならない。ジグソーパズルのピースをあてはめていくような細やかな作業に、皆、黙々と打ち込んでいた。

すでに山の斜面のあちこちで作業が始まっていた

薪を井桁に組み上げていく作業

松明づくりと休憩風景

一方、上の方では松明(たいまつ)づくりが進められている。「大文字焼き」点火の際には欠かせない松明。竹の棒に布を巻いて針金で縛ったもので、この日、40本が作られた。

休憩時間に職人さんの一人が首にかけていた手ぬぐいを絞ると、ボタボタッと汗が滴り落ちた。炎天下の現場のハンパじゃない暑さを、その汗のしずくが物語る。今日は久しぶりに晴れ上がり、気温も上昇。いつしかセミも合唱をはじめた。シッカリと水分補給し、休憩を終えた職人さんたちが、またそれぞれの持ち場に戻っていく。甲府で最高気温33度を記録した今日、何一つ遮るものがない山の斜面で、まっすぐな夏の日射しと蒸すような暑さと闘いながら、再び作業が進められていった。

午後、薪が組み上がったところで、86基すべての井桁に雨よけのビニールが一つ一つかぶせられ、準備完了。あとは点火の時を待つだけとなった。

草が刈られ、山肌をあらわにした斜面に白いビニールの「大」の字がクッキリと浮かび上がった。漢字の第1画目が70m、2画目が85m、そして3画目が60mある。この「大」の字は、休日を返上して朝早くから作業にあたった皆の熱いキモチが込められている。見る人に大きな感動をもたらす「大文字焼き」のために、山の急斜面にこれだけのものを準備した職人さんたちのことをシッカリとレポートで伝えなければと、マジで思った。彼らの作業もここ迄、皆が一堂に顔を合わせるのも今日限り…ということで、「みんなで写真を撮りましょう」と呼び掛け、記念撮影。

記念撮影

武藤工業(株)、(株)佐野緑化土木、(有)桃李の皆さん、本当にお疲れ様でした! ケガも事故もなく何よりでした! 大仕事をやり遂げたイイ表情が、夏の光にいっそう眩しく輝いた。

その3へ続く

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