井戸端コラム
恐るべし…、二子塚

子授け霊木

敷地奥にある「子授け霊木」

笛吹市在住の友人Kちゃんから聞いた話。

Kちゃんが結婚して1年くらいたった頃の事、まだ子供はできなかったが、本人は特に欲しいとも欲しくないとも思っていなかった。

そんな時、隣のお婆ちゃんが、八代の農協祭りに行きたいと言うので、Kちゃんは車で乗せて行ってあげたんだって。さて、農協祭りから帰ろうとすると、お婆ちゃんが「農協の隣にある二子塚さんにお参りしたい」と言い出した。もちろんKちゃんは、お婆ちゃんに付き合って一緒に行ったんだけど、二人でお堂にお参りしたあと、お婆ちゃんが妙なことを言い出した。Kちゃんに、「同じ敷地の奥にある子授け霊木へ行って、木の洞の中から石を一つ貰って来い」と言うのだ。突然の事にわけのわからないKちゃん。参道の入口でお婆ちゃんは、「ここで待っているから、一人で行って来い」と言う。「自分自身で貰って来なくてはいけない」と言う。Kちゃんは戸惑いながらもお婆ちゃんに言われた通りにした。木の裏側の穴の中には石がいくつかあった。手を合わせて、その一つを貰った。お婆ちゃんには「その石を肌身離さず持っていろ」と言われたが、Kちゃんはそれほど真剣に考えていなかったので、家に帰ってとりあえず寝室の枕元に置いておいた。

二つの子塚

霊木に包まれるかのような二つの子塚

その2ヶ月後、Kちゃんの妊娠がわかった。時期を考えるとあまりにもピッタリなので、驚いた。その後無事出産。元気な男の子だった。子授け霊木に石を返しに行った時、心の中でお礼を言った。

それからしばらくして、北関東に住む友人がKちゃん宅を訪ねて来た。結婚して数年経つが、子供ができない事を気に病んでいた。Kちゃんは友人を二子塚に連れて行って、お婆ちゃんに言われた通りを教えてあげた。その2~3ヶ月後、友人から妊娠を報告するメールが届いた。Kちゃんはその時、(ちょっと怖いくらいだ…)と思ったそうな。

ちょうどその頃、Kちゃんの旦那さんがお仕事で知り合った人の奥さんが、とても悲しんでいるという話を聞いた。晩婚だった為、子供の誕生を待ち望んでいた夫妻だったが、やっと授かった赤ちゃんを流産してしまった。Kちゃんはその夫妻に二子塚のことを教えてあげた。夫婦二人でお参りして石を持ち帰った奥さんは、再び妊娠し、無事出産した。Kちゃんは思った。(恐るべし…、二子塚。)

これは、たった一人の人から聞いた話なので、お参りした他の人たちがどうだったのかは、正直わからない。でも、そもそも子供を授かる事自体が、実に神秘的なことなわけで…。歴史のある二子塚にそんな不思議な力があると思うと、ちょっと嬉しくも思える。 (取材:さっさ)

 

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